奈良の旅記その2

昨日のブログ<鑑真和上の夢>に引き続いて奈良の旅記その2〜

 

唐招提寺にある「東征伝絵巻」(デジタル版ですが)を閲覧して感じたことを書きたいと思います。

「東征伝絵巻」は5度にわたる失敗を乗り越えて6度目に来日し

仏教の戒律を伝えた鑑真の活躍を伝える絵巻物で

まだ若かりし鑑真から始まり

辛い旅路と命をかけて伝えようとした信念の姿勢を描いています。

 

絵巻の最初の方では、

鑑真和上が唐にいて立派な椅子に座り、その周りにはたくさんのお弟子さんたち(当時4万人いたとも言われています)に囲まれ、自分が日本へ渡航することを弟子たちに伝えています。

絵巻の最後の方では、

その後11年の時を経て、日本に到着後、もう目が見えなくなってしまいお弟子さんの肩を借りながら歩く鑑真和上。

 

とても対象的な姿に見えますが、とても豊かに映りました。

目が見えなくなること、それは誰かの力を借りなくては生きていけないこと

困った時は誰かに頼ってもいいし、力を貸してくれた方に感謝する気持ち

そして、人は皆一人では生きていないこと

というのをすごく感じたのです。

 

私が勝手に感じたことなので、人によって解釈は異なると思いますが

視力を失ってもなお、豊かであり続けた鑑真和上の姿に感動を覚えました。

 

鑑真和上が日本に伝えたかったこともとても重要ですが、

その姿勢と信念や

人が長い年月をかけて伝えていく事(言葉や思い)の大切さだったり

自分が亡くなっても継続してくれる人へ信頼と深い愛を感じました。

 

奈良の旅、他者に伝えていく、それを継続するという事の豊かさを、あまり考えたことがなかったですが深く考えさせられた旅でもありました。

次回は涼しい季節にしようと思います^^

 

お読み頂きありがとうございました。